読解力について考える 読解力を分解してみると
小中学生の読解力を上げるために、読解力とは何かを改めて分解して考えみた。
読解力を要素分解して考えると
読解力は、単に文字を読めるだけは不足で、
書かれている内容を深く理解し、活用する力が必要。
様々な要素が複雑に絡み合って
読解力として表面化する。

1. 語彙力
- 意味理解: 文脈の中で使われている言葉の意味を正確に理解する力は、読解の基礎。
- 多義語・類義語・対義語の理解: 一つの言葉が持つ複数の意味や、似た言葉、反対の言葉を理解することで、より繊細な読解が可能になる。
- 慣用句・ことわざの理解: 文脈によっては、字面通りの意味ではない表現を理解する必要がある
現在はあまり使われないものも多く、これが難解度を上げていることも間々ある。
2. 文法力・構文把握力
- 文の構造理解: 主語・述語・修飾語などの関係性を正確に捉え、文全体の構造を理解して読む。
- 接続詞・指示語の理解: 文と文、段落と段落の関係を示す語句や、特定の語句を指し示す言葉を理解しないと、文章全体の流れが把握できない。
- 複文・重文の理解: やや長めの文章では、文章構造が複雑になり、正確に読み解くのがむつかしくなる。
3. 文脈理解力
- 具体と抽象の理解: 具体的な記述から抽象的な概念を理解したり、抽象的な記述を具体的な例と結びつけたりすることで理解が深まる。
- 因果関係・対比関係の理解: 文章の中で述べられている出来事や情報の間の関係性を把握する力です。「なぜ〜なのか」「〜に対して〜はどうなのか」といった視点でよむことで、理解が深まる。
- 筆者の意図・目的の推測: 文章全体や特定の部分から、筆者が何を伝えたいのか、どのような目的で書いているのかを推測することも必要になる。
4. 背景知識
- 文章のテーマに関する知識: 文章で扱われているテーマに関する知識が豊富であるほど、内容を深く理解しやすくなる。
- 社会常識・一般知識: 文章の内容を理解する上で、基本的な社会常識や一般知識が役立つ。
5. 推論力・解釈力
- 明示されていない情報の推測: 文章に直接書かれていない情報を、文脈や背景知識に基づいて推測出来るか?
- 比喩・暗示の理解: 比喩表現や暗示的な表現から、筆者の意図を理解する力が必要。
6. 批判的思考力
- 情報の信頼性: 書かれている情報の正確性や信頼性を判断する。
- 筆者の主張の妥当性評価: 筆者の意見や主張に対して、根拠や論理に基づいて批判的に読む。
- 多角的な視点の理解: 一つの問題に対して、異なる立場や視点からの意見も理解し、比較検討する。
これらの要素は独立しているわけではなく、相互に影響し合いながら読解力を形成している。
例えば、語彙力が不足していると文脈を理解する妨げになり、
背景知識が豊富であれば推論をスムーズに進めることが可能。
読解力向上に取り組む際には、これらの要素を意識しながら、
バランス良く育成していくことが大切にある。
国語の得意な生徒は、苦手な部分をさらに伸ばすことで、読解力がさらに伸びていきます。
国語に苦手な生徒は、得意に感じる部分をまず先に延ばして、苦手意識を薄めることから始めましょう。
語彙力の多寡は、話をすれば直にわかることですが、
2~3については、本人がどこで分からなくなっているかを自己分析する力も不可欠です。
どの科目や分野についても同じですが、
自分は何が理解できていて
どこが理解できていないかを把握すること
==自己分析力==は重要です。